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酒と桜
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日々の暮らしと大好きな酒と桜のことを綴ります。

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俳句で知る「たんぽ 」と「 ちろり」
この頃は、俳句の全集等を、ながめている。
芥川龍之介は 「我鬼」との俳号を持つ。彼の句に、
      「明星の銚(ちろり:ルビ)にひびけほととぎす」
がある。(『澄江堂雑詠』:大正十四年五月)
「チロリ」正確には、「銚釐」という漢字を当てている。酒を温める用具である。
『俳諧 桜川』(1674)に、
      「一つ呑 酒は上戸の たんぽかな  未及」
がある。(『日本国語大辞典』)
『日本国語大辞典』では、外の文例として、
「うはさ町の茶屋が才覚、たんぽにあつかんの酒いそぎ」(浮世草子『好色盛衰記』:1688)。「ちろり。銅製。京坂にてたんぽとも云。近世ちろりにて湯燗にせし也」(『守貞謾稿』:1837~30年間)
等ある。
「たんぽ」には「湯婆」の漢字を当てている。「ゆたんぽ」の意味にも使っている。(「湯婆」は「『湯』『婆』はそれぞれ『たん』『ぽ』と唐宋音である)
本来、「ゆたんぽ」は「湯湯婆」と表記され、が、「湯婆」を湯たんぽの意のみに限定・思い込んでいる節が見える。現在、「大阪」「和歌山」「徳島」で、一般に酒燗用具として「たんぽ」と呼ばれ使用され、されていた。
『鬼貫全集』(岡田利兵衛著)に採録されている『夢の名残』の中に、連句での中
「湯婆の口ておしつけて盛 海棠」
「湯婆」には「チロリ」とのルビが付けられている。「海棠」なる俳人は大阪・池田の人である。
正岡子規の『俳諧大要』に「木枯の果はありけり海の音」で有名な「言水」の句として、
      「姨捨てん湯婆にカンせ星月夜」
(「カン」は「酉」を偏に、「間」を旁の字で:『大漢和』では同じ偏に、「感」を旁にした字と同じ音で、転字をし。「しおからい」の意で。当て字である)
を紹介して、この句の意がさっぱり判らない。と子規はボヤイている。姨捨山伝説を意識
して、
寒い姨捨山へつれて行くのに、何故「ゆたんぽ」を用意させようとしているのだ、と考え
たのであろう。「言水」は奈良の人であるので、酒燗用具「たんぽ」と解釈すれば、「姨捨
てるような星月夜、寒々とした日だから、たんぽで酒でも燗して」と。
「酉」の偏をもってきているのだから、そう考えるのが自然では。
「酉」偏の「カン」は『子規全集第二巻』(子規の自筆の写し)では
       「紅葉焼く法師は知らず酒のカン」
       「君今来ん新酒のカンのわき上る」
を始めとして、酒の燗に「酉」偏を用いている。


湯婆までも、関西は チロリに取られ、意味までも改竄されてしまったらしい。
by yuyutera | 2009-08-05 16:04 | | Comments(0)
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